TECHNOLOGY TREND

技術動向分析 AI活用の事例

特許の「量と流れ」を見る分析

いつ、どれだけ出願され、どう変わったのか。出願の推移から、技術への関心の高まりや、重心の移り変わりを読み取ります。ただし、件数の増減はそのまま「流行」や「衰退」を意味しません。AIを活用して作成したレポートで、出願の動きをどう見せたのかを紹介します。

このページは事例の紹介です。分析のご依頼はお受けしていません。

この分析で答える問いQUESTIONS

「増えた・減った」の、その先を読む。

  • このテーマは盛り上がっているのか、落ち着いてきたのか
  • その変化は、テーマ全体の動きか、一部の企業の動きか
  • 過去と直近で、どの技術が増え、どの技術が減ったのか

事例で見るCASE

集めた範囲と、分析した範囲を分ける。

CASE

青汁の不快味・青臭さ対策

相談「青汁の苦味や青臭さを、各社はどう改善している?」

  1. 01

    集めた範囲と、分析した範囲を分ける

    特許の母集団は1,389件。そこから、テーマとの近さでAIが文献を分け、141件を分析対象にしました。グラフを見るときは、どちらの件数かを必ず確かめます。

  2. 02

    全体は横ばい、テーマに直結する出願は減少

    母集団は年平均70件前後で横ばい。一方、テーマに直結する出願は年平均7.6件から5.0件に減っていました。

  3. 03

    1社の出願を除いても残る変化か

    過去と直近の構成比の変化を、「全データ」と「集中出願者を除いた後」の2点で比べました。「香気・呈味成分」は除いた後も+20.8ポイントと大きく伸びており、本物の変化と読めます。除くと判定が変わる分類は、「見かけの変化」として色を変えて示しています。

特許の母集団 → 分析対象
1,389件141件
テーマに直結する出願(年平均)
7.6件5.0件過去 → 直近
「香気・呈味成分」の構成比の変化
+20.8ポイント集中出願者を除いた後も、大きく伸びている

本編でも、知財部の上司は「直近の出願は未公開分の影響を受けるため、表面的な増減を強い傾向として断定しない」ことを、調査の信頼性として確かめています。

数字はレポートの記載によるもので、情報の時点は2026年10月16日です。直近の分析対象は15件と少ないため、期間の比較は目安として扱っています。

アウトプットでの見せ方HOW TO SHOW

1ページを、4つの窓に分けて見せる。

青汁編のレポートでは、特許調査のページを4つの窓で構成しました。推移、内訳、掛け合わせ、最近の変化。1ページ見れば、テーマの動きがひと通りつかめます。

グラフの下には、「データが示すこと」と「読み取れること」を分けて書いています。事実と解釈を混ぜないことで、読む人が自分で判断しやすくなります。

報告用スライドでは、同じ出願動向を、Web面談版は上下2段のグラフで対話しながら、投影版は大きな棒グラフで離れた席からも読めるように作り分けました。

データが示すこと読み取れること※参考(少数件)

LEFT TOP

出願数の推移

盛り上がっているか、落ち着いてきたか

RIGHT TOP

切り口ごとの内訳

苦味か青臭さか、足すのか元から減らすのか

LEFT BOTTOM

悩み×解決策

工夫が集中している所と、手薄な所

RIGHT BOTTOM

最近の変化

「全データ(○)」と「除いた後(●)」を並べる

図は構成のイメージです。実際のページは、Excelレポート解説の記事で紹介しています。

読むときのポイントREADING POINTS

件数の強さに合わせて、言い切り方を変える。

1

直近の件数は少なく見える

特許は出願から公開まで、原則として約1年6か月かかります。事例では、直近2年を参考値にとどめています。

2

割合の変化は、分母の変化でも起きる

ある分類の割合が下がっても、件数は横ばいのことがあります。件数と割合を並べて確かめます。

3

数字の強さで、書き方を変える

件数の少ない比較には「※参考」を付けました。数字の強さに合わせて書き方を変えることが、読む人の信頼につながります。

AIのメリットと注意点AI & HUMAN

この事例から見えた、AIとの付き合い方。

+メリット

同じ物差しで、何度でも集計し直せる。

数千件の公報に同じ物差しでラベルを付け、期間や企業を変えて何度でも集計し直せます。「全データ」と「1社を除いた後」の比較のように、見かけの変化を点検する集計も手早く作れます。

!注意点

母集団に入らなかった公報は、件数に表れない。

「0件」は、その母集団の中での0件です。出願が減っていても、技術をノウハウとして守っている可能性があります。件数は、技術や権利の価値を示すものではありません。